8番ラーメンよりまるたかや。
会社の近くにあるので時々いく。
まるたかや。
いつも大盛りに油かすを三杯から四杯かけ
胡椒をひと回しして食べる。
ここまでは謎のルーティン。
感動も無ければ、がっかりもない。
そう、いつものまるたかやの、あの味だ。
濃厚なコクと醤油のパンチ。
いつも喉が乾くのをわかっていながらスープを飲み干す。
白飯もたまにたのむ。ごばんがスイーツと化す。米が甘く感じる。
ラーメン大喜でも同じ感覚を覚える。
8番ラーメンはなんとなく1人ではなく家族で行くファミリー向けの女子供も安心の戦略。
それに対してまるたかやは労働者やおっさんサラリーマンが一人で汗ダラダラで食べ
明日の健康など省みず、ただ、欲望のまま
油、塩分、炭水化物、肉を貪るための
男の社交場。
いや、男のオアシス、いや男達の鎮魂歌。
胡椒ドバ、油かすドバドバ、スープ完飲が
ここでのマナー。
明日を考えるな。いまを生きろ。
豚串もおいしい。
柔道をしていて、試合が終わるといつもこの近くの牛島本店のまるたかやでラーメンと豚串を食べて帰ってきた。
弱小だったので負けて泣いて食べる
ラーメンはさぞしょっぱい味だったろう。
その頃から男の鎮魂歌を味わっていたとは。
懐かしいなぁ。
おいしいなぁ。
絶対体に悪いよなぁ。
と思いながらいつもお会計で少し悪そうに
お釣りを募金箱にいれる。
あの頃よりおっさんになっていて
悔し涙すら枯れ果てて
日々惰性的に毎日を過ごし
時々泣きそうになるが
来週もまた食べにこようと思うのだ。
ふう。強くなったもんだぜ。